Dolce.氏と社築氏の対話 まとめ

音楽ゲームの”プロゲーマー”として活動するDolce.と、VTuberの社築が話している、4月24日配信の内容。タイムスタンプ42:48ごろから抜粋のスクリプトです。読みやすいように一部改変していますが、基本原文まま。駆け足でまとめたので誤字等あるかも。

 

プロゲーマーと、VTuberという異なる側面から、二人が真面目に「プロ」とか「シーン」とかについて話しているのが印象的で、他のゲームにも通ずる部分がかなりある。

KONAMIの公式見解ではないものの、e-Sportsに対する意識が見え隠れする部分もあり、興味深い。

 

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 Dolce.のチャンネル

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Dolce.の公式サイト

dolce-iwate.com

 

 

長過ぎるから読みたくない人へ

・プロゲーマーは、ゲームが上手いだけじゃなく、ファンに見られることを考える。そのゲームの広報であることを認識している。

・内向的な音楽ゲームから、インターネット上のリアルタイム対戦という形への変化を取ることで、競技シーンの活性化が図られた。

・見る側も、プレーする側にとっても、公平性は大事。ルール面での公平性に関して、プレーヤーから声をあげることが発展や普及につながる。その立場として、プロゲーマーは十分活躍しうる。

・ゲームの発展として、プロシーンを活用することは効果的。その中でも、プロゲーマーのゲームに対する思いが、より良いシーンやゲーム全体を構築していく。

 

 

 

 

■プロとしての心構え

社築(以下社):音ゲーのプロゲーマーとしてKONAMIさんと契約されて2年目のDolce.さん、現在は公式生放送やKACの解説などをされたりとか、音ゲーの広告というか、広報的な位置に立たれてると思うんですが、いち音ゲープレーヤーのころと今のプロになった中で意識的なものって変わりましたか?

Dolce.(以下D):やっぱり「ゲームを扱うときの姿勢」とかはすごい変わりますよね。見られ方を意識するというか。僕は(KONAMIに)選んでもらっている立場なので、僕のような立場の人が変なことをやらかしたらまずいとか、多分あると思うんですよ。だからそういうのは最低限ある程度は気をつけながらやろうかなとか、そういうところはあります。

それと、プレーヤーとしての模範みたいな感じにもなれたらいいなという意識があって、それこそゲームを上手くなるための向き合い方みたいなものは、伝わればいいなくらいでしかやれてないですが、参考にしてもらえるくらいのことができれば、と思っています。

 

社:見られることを意識して、プレーが上手いだけじゃないってことですね。

D:なるだけ楽しそうなところを出したいっていうのはあるし。ブーブー言いながらやっても「この人なんか感じ悪いな」ってなるのもあれなんで。やっぱりそのへんは普段より、より気をつけたほうがいいかなって。

社:一人しかいらっしゃらないですからね。音ゲーだと。はじめてのプロになったとき、どんな気分だったんですか?

D:相当プレッシャーはプレッシャーでしたね。だったけど、今自分に話がきて、このタイミングでできるのは僕しかいないって意識があったんで。これは引き受けざるを得ないなって部分もあって。

社:実力人品ともに認められないと(プロになる)声がなかなかかからないってことですね。

D:なんというかまあ、ありがたいことに。

 

 

e-Sportsとしての音ゲー

社:プロの話に通ずるところもありますが、このIIDXにはアリーナモードという対戦モードが出ました。今までリアルタイムの対戦というのがなかなかなかったと言うか。ゲームセンターで1P、2Pでスクラッチの位置があったりして、(同じプレーサイドの)友達と行っても交代交代でしかやれないとか。そもそも音ゲーマーってやりたいときにゲームセンターに行ってガガガッてやって、って感じじゃないですか。そんな中で、アリーナモードっていう、インターネット上で、リアルタイムで戦えるという機能がでてから、「音ゲーの競技シーン」という側面が強くなったかなと思うんですが。今対戦ゲームとか格ゲーとかが盛り上がってる理由ってリアルタイムの対戦があるからこそだと思うんですが、Dolce.さんとしても、IIDXに限らず、音楽ゲーム全体として、競技シーンがリアルタイムの対戦で盛り上がればいいな、みたいな気持ちはありますか?

D:そうですね。みんな割と求めてるんじゃないかな?というのはあったので、(アリーナモードを)やったほうがいいなと思うんですが。僕はアイデアには関わってなくて、ルールの部分にはかなり助言をさせてもらいました。

社:一番印象的だったのは、1P側と2P側のランダムで、2P側をMirrorにしようと言われたのがDolce.さんだと伺ってるんですが。

D:そうです。ここは外せない、と。

社:このゲームみんなRandomをかけるんですが、スクラッチが左側と右側になるので、1P側と2P側で有利不利が出るんです。2P側にMirrorをかけることによって、限りなく公平性を保とうと。この話を聞いたときに、やっぱりDolce.さんとしても競技シーンが盛り上がって欲しいという思いがあるかと感じました。

D:終わったあとにあたりだった、はずれだったってなるのは嫌じゃないですか。あのときやっぱりあたってたよ、みたいな。そういうのがどうしてもモヤモヤしていた部分もあるし、見ている側もやっている側も一番納得できるルールって考えたときに、それはやっぱり片側だけ(Mirrorを)かけるとかになるのかな、と。本当に最低限ですけど。細かい部分を言い出せば、筐体差とかいろいろ出てくると思うんですけど、ルールとしての最低限はやっぱり外せないなと思って。

社:その提案ができる立場にDolce.さんがいてくださってよかったなと、我々プレーヤーとしても思います。それを言ってくださる方がいないと。

D:せっかくなんで、プレーヤーの気持ちを代弁できるというか、そういうポジションになれればいいなと思っています。

 

 

■Dolce.の考える音ゲーの展望

社:今後もDolce.さんのチャンネルとかで活動を続けていったりとか、BE生続けていかれるとかあると思うんですが、先日行われたRINGとか。RINGではスーパーアドバイザーという立場だったんですよね。韓国のトッププレーヤーと対戦するという場を設けたりとか、そういう活動もプロとしての一環かなと感じています。

D:大会に関してはそういう気持ちがあって。beatmaniaIIDXが20周年で、それに合わせてイベントをやりたいとも思っていました。スタッフの皆さんに助けていただいて、やっと実現しました。

社:今後プロの活動として、ふわっとした質問になるんですが、野望というか、beatmaniaがこうなればいいとかありますか?音楽ゲームの競技性が増すとか。格ゲーだと大会の場なども多いですが、音ゲーは公式大会の場がどうしても限られている。そういう(公式以外の)大会を盛り上げていこうとかの考えはありますか?

D:なるだけ大会の数を増やすとかで、プレーヤーの注目度を上げていってあげるというのはやりたいと考えています。それにe-Sportsという形で、一緒に盛り上がっていけるんじゃないかと。あとは、beatmaniaってやっぱり昔から続いてるゲームであって、普及させたいという思いがあります。新規の層に呼びかけていって、面白いゲームなんですよと。そういう活動をやっていきたいです。

社:新規層を取り込まないとゲームって廃れちゃうので、いかに新規層をというのは私も意識している部分ではあるんですが、文化を廃れさせないために。恩返ししたいという気持ちもあります。

D:それはわかります。僕がここでこうやって話しているのも、これまでずっとbeatmaniaを続けてきて、こうやってプロになりませんかと声をかけてもらったというのも、(beatmaniaを)やってなかったらなかったので。その部分はなるだけお返ししたいと思っています。あのときにゲームに触れなければ、と思うこともありますし。